top of page
検索
All Posts


2025年10月20日
シェイクスピアの詩(ソネット)を引用して吉田健一が書いた文章に 「例えば英国の秋は、木が紅葉すると言っても、その色は赤と黄に限られているのではなくて、紫、茶、黄、赤などの色がまだ紅葉していない緑と混じって何れがより鮮明であるかを秋空の下に競うのであり、英国の夏の緑もそれに劣らず何か、現実とは思えない光沢を持っている。」 とあります。 美しい文だなぁと思います。 今年は夏の暑さが長く続いたので、10月も半ばになって一斉に秋の花や枝ものが花屋さんに入ったそうです。紫の残った秋色紫陽花を見つけました。 生け花で移りゆく様々な色の美しい秋を表現出来たらと思います。 野茨(ノイバラ) ダリア(ベンヒューストン) メラレウカ(ティーツリー) 秋枯れ紫陽花


2025年10月14日
秋明菊、実家では貴船菊と呼んでいました。 京都の貴船で多く見られるので、貴船の名前がつけられています。 貴船菊が似合いそうな水の美しい深山の貴船、昨年訪れた時には初夏でしたのでユキノシタ(雪の下)が茂っていました。 今日の秋明菊は島根県雲南市大東町産です。 ツルウメモドキ(蔓梅擬)と合わせました。 秋明菊(シュウメイギク) 蔓梅擬(ツルウメモドキ)


2025年10月6日
「ネコノヒゲ」という花を頂きました。細く長い雄蕊雌蕊が繊細な猫の髭のようです。 子供の頃に一度だけ猫が家にいたことがあります。父は何度も猫を飼ったことがあり、名前はいつもペルだったそうで、私が一緒にいた猫も名前はペルでした。もちろんペルシャ猫ではなく、もらってきた日本猫です...


2025年9月29日
待合の花は「ゴッホの向日葵(ヒマワリ)のようですね」と今日の診察で言われる方がいました。東北八重という品種の向日葵です。今ちょうどゴッホ展が開かれていますね。ゴッホの初期から晩年に至るまでの絵の変遷が観てとれるような展覧会だったと行かれた人から聞きました。...


2025年9月22日
サンザシの実は黄色や黄緑色が混ざっていて、所々薄紅に色付いている様がとても美しく、花屋さんで一枝求めてそのまま生けました。 アナスタシアという菊の白銀の花弁は皓皓とした月の光を纏っているようです。 スプレーマムは一枝で蕾から開花まで愛でることが出来、芯に薄紅がのぞいて可愛ら...


2025年9月16日
石化柳が芽吹きました。柔らかな淡い緑に命の芽吹きを感じます。石化柳の芽吹きはまるで龍の顔のように見えます。 龍の顔、まるで飛龍のような石化柳を見ていると郷里にある山の岩屋の洞窟を思い出します。 耳を澄ませば、岩屋の天井から滴り落ちる水滴の音が聞こえます。見ることが出来ない洞...


2025年9月8日
月の美しさに感じ入るこの頃です。 中海に月の道や銀の波が現れたり、波のような雲の中を月が渡って行ったり・・・。 めぐり逢ひて 見しやそれともわかぬまに 雲がくれにし 夜半の月かな 移ろう月を見ながら紫式部の歌が浮かびます。 月を想いながら花を生けました。...


2025年9月1日
山丹花(サンタンカ)が花屋さんに出ていました。 もうずいぶん前になりますが、沖縄に行った際に咲いているのを見たのが初めての出会いで、以来この花を見る度に沖縄の空気感を思い出します。 クルクマを合わせて生けてみました。知人はクルクマを見ると貝殻を思い出すと言います。形と花びら...


2025年8月25日
先週松江市の白鹿山に登りました。白鹿山は白鹿城という尼子氏の城跡があり、毛利氏との古戦場の一つです。山頂には椿の木があり、実が落ちていました。どんな花が咲くのでしょう。椿は松江市の花に選定されていて至る所で見かけます。花屋さんに実を沢山つけている椿が出ていたので生けてみまし...


2025年8月18日
高砂百合が自然に生え、細い筒状花をうつむき加減に咲かせています。 夏目漱石の「夢十夜」の第一夜を思い出します。「百年はもう来ていたんだな」と地面から茎が伸びて咲いた百合の花を見て気付く話。この夢十夜を読んでからは百合は百年経ったらまた会う(合う)イメージになりました。...


2025年8月4日
松江市内は水郷祭で混雑しそうですので、生け花をお休みし、頂きものの胡蝶蘭を飾りました。 「釣鐘に とまりて眠る 胡蝶哉」 という蕪村の句にひかれます。 胡蝶蘭


2025年7月28日
先週の木苺、桔梗が元気でしたので今週も引き続き生けています。クルクマとオーニソガラム・サンデルシーを新たに入れました。 クルクマの花弁は蓮の花弁と同質なものを感じます。蓮は四日ではらりと花弁が散りますが、クルクマは霧吹きをすると一週間以上もってくれます。クルクマの根は漢方薬...


2025年7月22日
散歩の途中で見つけた葦(アシ)と木苺、庭の紫陽花と桔梗を生けました。中海宍道湖周辺には葦がいたるところに生えています。まさに「葦原の中つ国」だなぁと思います。水辺で風にそよいでいる様を想いながら生けました。 桔梗の蕾は折り紙の紙風船のようで、中身が気になりついつい触れたくな...


2025年7月14日
祇園祭の頃には檜扇(ヒオウギ)を生けたくなります。 水辺を想わせる姫蒲(ヒメガマ)と白い貝殻のようなクルクマを合わせて青磁の花器に生け、猛暑の中に涼やかさをと思いました。 姫蒲の黄色い花粉は蒲黄(ホオウ)といい、止血剤としても使われます。毛皮を剥ぎ取られた因幡の白兎に大国主...


2025年7月7日
頂いた紫陽花二種を生けました。 「渦(ウズ)紫陽花」は白、薄い青、青と変化のある花色が流れる水のようです。江戸時代からある紫陽花で、植物の病気から生じた珍しい品種を江戸時代の人は大いに愛でたそうです。江戸の人々は朝顔も変化朝顔という珍しい品種を作り出して愛でていました。...


2025年6月30日
自宅の花畑に咲いたお花を沢山頂き、生けさせて頂きました。 ブッドレア・ロイヤルレッド(フサフジウツギ)の伸びやかな花穂には蝶が集まるらしく、バタフライ・ブッシュと呼ばれるそうです。5月末にアゲハ蝶の蛹を見守りましたが、知らない間に蝶になり蛹は抜け殻になっていました。バタフラ...


2025年6月23日
この時期に一瞬花屋さんに出る竹島百合。 韓国の鬱陵島(ウルルンド)原産の百合です。 かつて、鬱陵島のことを竹島、現在の竹島のことを松島と言っていたそうで、この鬱陵島原産の百合は竹島百合と名付けられています。日本海の島で咲く百合に思いを馳せながら生けました。小さな花弁の反り具...


2025年6月16日
唐竹蘭(トウチクラン)を生けたのは初めてです。 別名は茶花宝鐸草(チャバナホウチャクソウ)。 宝鐸はお寺の塔や講堂の軒の四隅に吊り下げられた銅鐸のことです。花の型が宝鐸の型をしています。 無花果(イチヂク)の香りがする花で、色も無花果の色を思わせます。 万作 唐竹蘭...


2025年6月9日
スモークツリーと言えば、中学校の「栄光館」という煉瓦造りの建物の植え込みの中にスモークツリーがあったことを思い出します。 槍鶏頭(ヤリゲイトウ)の赤を6月の雨に似合う緑にそえました。 スモークツリー ビバーナム(スノーボール) 槍鶏頭(ヤリゲイトウ)


2025年6月2日
先週から生けている七竈(ナナカマド)の青い実が黄色く色付いてきました。 京鹿子、白下野、八重のドクダミ等頂きましたので生けさせて頂きました。 ドクダミは十薬(じゅうやく)とも呼ばれ、生薬として多くの効能を持っています。 七竈(ナナカマド) 京鹿子 白下野(シロシモツケ)...
bottom of page